運動中、運動後、体を冷やすときに皆さんは、冷たいタオルや氷のうなどはどの部分に当てて、体温を下げようとしますか?

 

身体を冷やして体温を下げようとする場合、一番効果的な場所は、実は「手のひら」と「腕」なんです。

手のひらには動静脈吻合(AVA)と呼ばれる、毛細血管に分かれる前の動脈と静脈をつないでいるやや太い血管が存在します。

動静脈吻合は手足や顔の一部に存在する特殊な血管で、主な仕事は体温調整になります。

 

体温が高い時は、熱を奪われやすい末端部分で血液の循環を良くするために拡張をし、

逆に寒さが強くなった時などは収縮をして、熱が逃げるのを防ぎます。

脳や心臓など、生命維持に重要な身体の中心部の体温を保つためですね。

 

夏の暑い時期に運動する際に、プロのスポーツ選手が手をバケツに入れて、冷やしている映像を見る機会が増えてきたのにお気づきでしょうか?

 

手のひらにある動静脈吻合を冷やすことにより、静脈に乗り体全体をめぐる血液を冷やしているのです。

また腕(肘~手首)は体幹部分に比べて、容積に対する表面積が大きく、熱を逃がしやすい構造になっています。

 

≪手のひら冷却の実際のやり方≫

・用意するもの

腕まで入る深さのバケツ

水温は10~15度の水

 

・やり方

バケツに冷水(10~15度)を入れ、10分程度冷却しましょう。

水が冷たすぎる(10度以下)と、動静脈吻合が閉じてしまうので、気をつけましょう。

指先を細かく使うスポーツなどは、冷やし過ぎて感覚が変わってしまう可能性があるので、気をつけましょう。