運動やスポーツをする際、そして熱中症予防にも重要になってくる水分補給について、紹介します。

1 身体は体重の60%が水分で出来ている。

私たちの身体にはたくさんの水分が含まれています。

成人の男性では体重の60%成人の女性では体重の55%新生児においては体重の80%「体液」と呼ばれる水分で出来ています。

つまり、体重70kgの成人男性の場合、約42㎏の水分を体に蓄えていることになります。

体液は身体の中を絶えず循環する水分であり、生命にかかわる様々な役割をしています。

①運搬

酸素や栄養分を血液として動脈を通して体中に運びます。逆に、老廃物などは静脈を通して、身体の外へ排出するために運びます。

②体温調整

体温が上がってきた際に、皮膚への血流循環を増やし、汗をかかせます。汗を出すことにより、上昇した体温を一定に保つ働きがあります。

③環境維持

新陳代謝がスムーズに行われる様に、体液の性状を一定に保つ働きがあります。

体液の 役割

2 汗をかいたら「水」だけじゃダメ???

一般的に、人は普段の生活をしているだけでも、一日約2.5リットルの水分を失います。

(尿として:約1.5リットル。便として:約1リットル。呼吸や皮膚から失われる水分:約0.9リットル)

さらに、運動をすることにより汗をかき、多くの体内の水分が失われ脱水が起きます。

身体の水分が2%失われる「喉の渇き。運動パフォーマンスの低下」が起きます。

3%失われる「強い喉の渇き。食欲不振」

4~5%失われる「体温上昇。体の火照り。尿が濃くなる。頭痛」

脱水時に多くの水分が失われると、多くの症状が起きてきてしまいます。

しかし、私たちの身体の血液は、ただの水と同じ成分ではなく、0.9%のナトリウムを含んだ血液が循環しています。

つまり、脱水時に水だけではなく、ナトリウムも失われており、水だけ補給をしても、身体の体液は元通りには戻ることが出来ません。

運動時にはエネルギーとなる「糖」と「ナトリウム(塩分)」を含んだ飲料で水分補給を行いましょう。

3 どれくらい飲めば良いの?

運動時に水分補給を行う際は、喉の渇きを感じた時点で、既に脱水が始まっています。

動き始める前から、水分補給を行いましょう。

目安としては15分ごとにコップ一杯(150~200ml)を運動中にも補給できるのが望ましいです。

飲料の水温ですが、最近の研究では飲料の温度が5~15℃(10℃がベスト)が吸収が早く望ましいと言われております。

水温が低い場合、吸収は早いですが、胃腸への負担もあります。運動時以外は常温やぬるま湯など、体調に合わせて水分補給をしましょう。

sports_suibun_hokyuu

4 スポーツドリンクはどれも一緒?

スポーツドリンクと言われると、皆さんは何が真っ先に思い浮かびますか?

実は、スポーツドリンクにも種類があり、飲むべきタイミングがあります。

①アイソトニック飲料

エネルギーとなる糖質濃度が高いスポーツドリンクです。

糖質濃度が高くなると、吸収されるまでに少し時間がかかってしまいます。運動をする30~40分前に飲むのが効果的なスポーツドリンクです。

ポカリスエット アクエリアス ビタミンウォーター ダカラ etc

②ハイポトニック飲料

逆に糖質濃度が低めになっているスポーツドリンクです。

汗をかいた状態でも素早く水分を吸収することが出来ます。運動中や運動直後など、早く水分を補給したい場合に最適なスポーツドリンクです。

ヘルシアウォーター ヴァームウォーター スーパーH2O etc

スポーツドリンク

運動中のパフォーマンスの低下や熱中症を予防するために、積極的に水分補給を行いましょう。

5 1日を通して水分を摂り続けましょう。

水分は一度に必要な量を吸収することが出来ません。そのため、運動の前後のみではなく、日常生活の中でも水分を摂る意識を高め、こまめに水分補給をしましょう。

日常生活での水分補給の癖がつくまでは、意外と時間がかかってしまいます。そんな人には一日の中で、以下の8回のタイミングで水分補給をするのを心がけてみましょう。

8回のタイミングでコップ一杯(200ml)の水を飲みましょう

・起床時

・朝ごはん

・昼ごはんまでの間

・昼ごはん

・夜ご飯までの間

・夜ご飯

・お風呂前

・就寝前

この8回のタイミングで水分補給をするだけで、約1.6ℓの水を飲むことが出来ます。ぜひ、試してみて下さい。

6 汗と一緒に失われるミネラルとは? 

汗をかけば水分と塩分だけではなく、マグネシウム、鉄、亜鉛などのミネラルも失われます。失われたミネラルは食事で取り戻しましょう。

マグネシウムを多く含む食材

大豆製品 雑穀米 玄米 アーモンド 海藻類

鉄を多く含む食材

赤身の魚や肉 貝類 小松菜 ほうれん草 ひじき

亜鉛を多く含む食材

貝類 牛肉 魚介類 卵 高野豆腐 切り干し大根 納豆 ナッツ類

熱中症対策は運動している時だけではなく、普段からの準備が大切になってきます。

気をつけましょう!!